2011年10月25日火曜日

医療関係者のみなさまへ



「みんなのカルテ」をご覧いただき、ありがとうございます。

「みんなのカルテ」は、原発事故後の体調の変化や不定愁訴などの情報を共有するために、不安な症状を抱える皆さんの記録を収集しています。

私たちは、広島、長崎の体験者以外、被爆の体験がありません。そのため、放射能とは何か、被曝とは何かを理解する、そうしたことから始めなければならず、原発事故以降、汚染された環境下で大変不安な状態にあります。その中には、症状を抱える皆さんと同様、治療にあたられる医療従事者の方々も含まれます。症状を抱える方も、それを治療する方にとっても、過去の経験や症例が当てはまらない、という現状があります。

こうしたことから「あきらかに何かがおかしい」と感じる症状を抱える方の声を集め、ある時期を境に同時多発的に特徴的な症状が派生していることを理解できるようにすること、その全体像と関連を把握できるよう、誰もが公に共通認識を持てる環境を整えること、それが「みんなのカルテ」の目標の一つです。

「みんなのカルテ 保管庫」のそれぞれのカルテの下には、分類があります。全ての方が複数の症状を同時に抱えていらっしゃいます。例えば、体重減少、倦怠感、痺れ、歯茎の出血、という具合です。

症状を抱える方は、自身が最も改善を優先したいとする症状の専門医や医療機関を訪ねます。体重減少や倦怠感、痺れがあったとしても、歯茎の出血を優先するのであれば、まず歯科を訪れます。ある人にとって、それは眼科や産婦人科、皮膚科かもしれません。一般に考えられるように、甲状腺専門医が放射能汚染による症状に関する見識が高い、ということではすまなくなってきています。また、症状を抱える方の中には、九州、遠くは沖縄に移住された方もいらっしゃいます。

つまり、放射能汚染に見識のある医療従事者の皆さまに限らず、また原発近県の医療機関ばかりではなく、あらゆる医療機関、医療従事者に放射能汚染による症状への理解が必要です。

「みんなのカルテ」を通じて、どの医療分野の皆様にも放射能汚染という新たな観点を診療に加えて頂くことを切に希望いたします。

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