15才の高校1年生の書いた一通の手紙が「風評」「デマ」という発言と共にネット上で物議を醸し出しています。
全文を掲載します。
お元気ですか?私たちは沖縄に移住し、 父、 妹は茨城に残っています。
私は確実に被爆をしています。症状がかなりでています。主に甲状腺が腫れたり、鼻血 じんましん 免疫力低下などです。
自分でもびっくりするくらい体に異常が起きていて、あのまま茨城にいたら、近い将来 死んでいたかもと 沖縄の医師に言われました。
先生方は 公務員ですから、動けないことも、放射能について生徒に教えることができないのもよく分かっています。 様々な情報から真実を知った時、すごく苦しみました。もうすでに何人の人が死んでいるのか、ご存知ですか?私たちの世代が、あと10年後、それよりも早くごっそりいなくなると言われています。
茨城にいる友達が心配で仕方ありません。ネットを通して、みんなに情報を流していますが、 今がよければいい どうせ子供産めないから、うちの親は公務員だから動けないなど将来に対して後ろ向きな考えばかりです。仕方ありません。高校生が事実を知っても、親に言えず、不安な毎日を過ごすばかりです。だから その親に一番 放射能の怖さを伝えられるのは教師だと思いませんか? そのためにリスクはかなりあるかもしれません。それでも子供たちは 大人の宝物ではありませんか?今の子供たちを守れるのは大人しかいません。 残念ながら、国は子供の命より経済をとってしまいました。もし、将来 がんが増えて、国に あの時の放射能が原因だと 訴えても 因果関係なしといわれるでしょう。 原発が爆発したときの「 ただちに影響はない」、 ただちにですよ!将来はどうなのかです。
もし、今までどおり普通に暮らしていれば、将来苦しむことは、はっきりわかっています。 私は今がよければいいなんて絶対に思いません。今 なんてどこでもできます。今いる場所によって将来が大きく変わるのです。私はこちらにきてよかったと本当に思います。 ですが、一番気掛かりは 茨城 関東 東北にいる子供たちの未来。本当に怖いです。誰も悪くありません。誰も責められません。 しいていうなら、国と東電。私たちは皆 被害者です。だからこそ、自分の命は自分で、子供の命は親で 守らなければいけないと思います。
先生 どうか放射能について真実を調べてください。どうかそれを たくさんの人に教えてあげてください。大事な生徒を守ってください。 そこからは、それぞれが決めることです。 茨城での食生活 空気感染に十分お気をつけてください。ありがとうございました。
このお手紙が公表される前に「みんなのカルテ」ではお母様からメールでお嬢様の症状をカルテに記載したいとのご連絡がありました。お母様はコンピュータが苦手でカルテに直接記載する方法がよくわからないので、なにか方法はありますか?というお問い合わせでしたので、メールでどうぞ、とお答えしました。
お嬢様から恩師に送られた手紙は、放射能防御プロジェクト木下黄太さんにお送りになり掲載となり、同時に、症状については「みんなのカルテ」でお預かりしました。
「風評」「デマ」のネット上での騒ぎの後に、お母様から、こんなメッセージをいただきました。
カルテさん。メール届いていますか、機械音痴のため、みんなのカルテに入れられず、木下さんにお願いしました。手紙のコピーはわたしが持っております。偽造でも何でもないし、必要ならもっと書くと娘は言っています。よろしくお願いいたします。妹がまだ茨城の中学に在籍しており、母親の私が担任宛に手紙を書きました。目の前にいた娘に、あなたも書いて、とお願いしました。娘は中学のときに生徒会にいて、先生方に信用されていたからです。中学の妹。娘が心配でたまらずふたりで速達だしました。コピーは私が勝手にとっておきました。
数日前のお母様のツイートにはこんな文章があります。
15歳の娘が、妹の通う中学校に、信頼する四人の先生当てに願う便りを書いて、速達で送った 高校生が事実を知っても、親に言えず、不安な毎日です。だから、その親に一番放射能の怖さを伝えられるのは教師だと思いませんか? って!
移住を迷った大人の自分に、うちの娘は、 そんな優柔不断だから、ママはだめなんだよって怒鳴った! 今、ここにいるのは、正しく15歳のおかげです。未来を生きたい 魂に頭が下がった…コイツ すごいや
「風評」「デマ」を言われる。しかし、それが事実である時に、この15才の子供とお母様の心に残した傷に、あなたはどう責任をとりますか?
さて、こうした事態の中で、もう一つ危惧していることがあります。それは、放射能の影響の一つでも最悪とされる神経への影響「危機感の喪失」です。この放射能汚染が広がる中において、まだ、それを「風評」「デマ」として、認識できない。私はそこに放射能汚染の身体的な症状の発症より、さらに深刻で恐ろしい放射能汚染の影響を感じています。